研究所設立当時より収集してきた産業資料(過去に使用された生産諸用具とそれに関連する器具・文献資料類)の整理・保存・展示のために1964年に設置された資料館です。
製糸、ガラ紡、麻真田、海苔養殖、養蚕などに関する道具類をはじめ、近代化を象徴する機械を多く収蔵しています。
1980年までの収蔵資料643点、1990年以降の収蔵資料1,857点、2010年以降の収蔵品731点については、それぞれ旧蔵資料・新蔵資料・第三期資料として目録にまとめ、その一部を研究所公式ホームページ上で公開しています。
生活産業資料館内の収蔵展示室では、三河地域で栄えた海苔養殖、養蚕・製糸、麻真田関連の展示を中心に見学できます。
ガラ紡とはガラ紡機を使って綿から綿糸を紡ぐ紡績のことで、稼働中に「ガラガラ」と音がすることからガラ紡と名付けられました。
ガラ紡機は1873年に信州の臥雲辰致によって発明され、1878年の第1回内国勧業博覧会で「本会第一の好発明」として鳳紋賞杯を受け、全国に知られていきます。
その後、ガラ紡績業はとくに愛知県の矢作川流域で発展し、1960年代頃まで三河の地場産業として栄えました。
ガラ紡から紡がれるガラ紡糸は、手紡ぎのように撚りが甘く、独特の糸むらがあり、優しい風合いが特長です。
2005年10月に大学記念会館1階に設置されたガラ紡展示室には、長さ3間のガラ紡機(全長約5.9m、228錘)と長さ1間の合糸機(全長約2.1m、4錘)、長さ2間の撚糸機(全長約4.1m、56錘)の3台の機械が並んで展示されています。
ガラ紡機、合糸機、撚糸機ともに実演可能です。ガラ紡機の各種部品やガラ紡糸なども展示しており、三河ガラ紡に特化して展示する全国的にも珍しい展示室です。